バードマン

 アレハンドロ・イニャリトゥ監督のバードマン。Blu-rayで。
 これ夢オチにするしかないんじゃないかとハラハラして最後観ていたのだけど、夢オチではなかった。しかしながら、この寓話をどう受け取って消化していいものか、まだ悩んでいる。

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

 Blu-rayで。自分の持ち合わせていない他人の欲望を垣間見ること。
 人の領分にずかずか踏み込んできて、自分に合わないと不快感をぶちまけて誰も幸せにしないこと。

息もできない

 ヤン・イクチュン監督主演の息もできない。DVDで。
 弟くんも、いつかサンフンのように救われるのだろうか。

息もできない [DVD]

息もできない [DVD]

ラ・ラ・ランド

 デイミアン・チャゼル監督ラ・ラ・ランド。劇場で。
 これはよくできたエンターテインメント。素晴らしかった。
 冒頭の高速道路渋滞からの実に快楽的な長回しミュージカル、エマ・ストーンを始めとした女優たちのキュートさ(衣装も表情も)、随所で差し挟まれる気持ち良い音楽(菊池成孔にはコッテリ批判されているが)、使い古されているが共感させられる成功物語と悲恋と、いずれも娯楽作品としてよくできていて、非常に楽しめた。私には。おそらく、恵まれた立場に置かれた私には。
 このような「売れない駆け出し女優」や「売れないジャズピアニスト」が各々、「トップ女優」と「好きなジャズをプレイできるハコのオーナー」に成り上がる一方、好き合っていても別れて別々の道を歩むという悲恋物語は、かつてはおそらくアメリカンドリームの1つのバリエーションとして機能していたし、アメリカ国内でも信じられてきたし、“憧れの自由の国アメリカでの物語”として世界各地で遍く信じられてきたものと思う。少なくとも私はそう思ってきた。しかしながら、このような寓話にノレない国民が本国アメリカにおいても多数派であることが示された今、この物語は一昔前のものに落ちぶれ果て、説得力を失ったと言わざるを得ない。
 結局、内輪向けの作品じゃないか、そう思ってしまうのだ。この、少なくとも経済的には報われる物語は、ハリウッド内輪向けの物語であり、ルーザーたちには(アメリカ国内のルーザーたちにすら)届かないのではないか?そう疑問を持たずにはいられない。
gaga.ne.jp

FAKE

 森達也のFAKE。DVDで。
 言わずと知れた佐村河内氏を扱ったドキュメンタリー。わからなかった。何が森達也の言う“FAKE”なのだろう。

  • フジテレビのディレクターやら制作陣とのやり取り・
  • 佐村河内氏の何か?
  • 神山氏とのプロレス?
  • この映画そのもの?
  • 佐村河内氏の才能?

FAKE ディレクターズ・カット版 [DVD]

FAKE ディレクターズ・カット版 [DVD]

どついたるねんライブ

 18禁だからアマゾンのリンク貼るのに手間がかかるのかな?

どついたるねんライブ [DVD]

どついたるねんライブ [DVD]

たかが世界の終わり

 グザヴィエ・ドランのたかが世界の終わり。劇場で。
 物語性が薄すぎて、私には面白くなかった。スクリーンに映し出される人間たちが、かなりの確率でワンショット・ネックアップ?(バストアップよりもはるかに寄りで、頭が切れるくらいから首元まで)の圧迫感がすごかった。
gaga.ne.jp

「Malformed Objects − 無数の異なる身体のためのブリコラージュ」

 山本現代に初めて行った。キュレーター氏の文章に惹かれて訪れた。

 私の心をくすぐる作品はあまり無かった。時間軸を2次元の絵画の中で表現しようと試みた作品には興味を持った。人がひっきりなしに展示を観に来ていて、キュレーター氏がスターであることはよくわかった。

http://www.yamamotogendai.org/japanese/exhibitions

ニンフォマニアック

 ラース・フォン・トリアー監督のニンフォマニアック。DVDで。
 4時間をかけたニンフォマニアジョーに関する女一代記。正直、vol.1とvol.2の半分くらいは退屈だった。とっかえひっかえセックスしようが、初体験からAFしてようが、フィストファックしようが、ガチのSMだろうが、レズプレイしようが、現代のAVをある程度見てきた人間には刺激足りえない。ぼかし入っているからステイシー・マーティンの裸体がどうこうということもない。
 ジョーが集団セラピーに行くシークエンスで、しおらしく家具の角っこに軒並み緩衝材貼ったり(笑うところ)、片っ端から家財を捨てるところで、なんだかなーここまで突き進んできた人間がたかが上司に言われたくらいでこんなに堕落してしまうかねと思いながら惰性で観ていたのだけど、ジョーが思い直して私はニンフォマニアだ何が悪い的な悪態をついたところから、急に面白くなった(ここまで3時間)。若干説教臭い感じではあるのだけど、セクシュアルマイノリティの自立の話とすっと受け入れられて(LGBTに比べてニンフォマニアとかペドフィリアってさらに立場悪いよなという自分の固定観念・偏見を指摘された感)、物語世界に感情移入ができ始めた。
 しかし最後の落語みたいなオチにはびっくりした。もうちょっと別のやり方あるだろ的な。
 自分も観た日本向けでは、自分中絶シーンがまるまるカットされているという噂。性器にぼかしが入っているのと合わせて興ざめですね。インターネットで海外サーバーのwebページにアクセスできる時代にそんなことしてもねえ。