さよならテレビ

 東海テレビ(FNN)報道部のディレクター土方宏史が監督を務めた「さよならテレビ」。ユーロスペースで。
 テレビ業界の人間でない私にとって、制作者の顔が見えて葛藤が描かれていて、それなりなレベルで編集(演出)されているんだから、そりゃ面白いですよ。でもこの番組はテレビで放送されるべきだろう。この内容を突きつけるべきは、テレビ制作側の人間や、逆に「マスゴミ」と罵って憚らない視聴者?であって、千数百円払って映画館に来る人ではなかろう。
 また、終盤の種明かし的部分は千数百円払って映画館にわざわざ観に来る人には蛇足。この作品を観に映画館に来る種族は、ドキュメンタリーの虚構性なんて百も承知でしょう。
sayonara-tv.jp

チームラボ プラネッツ

 空いているかなと思って大晦日豊洲へ。
 まあそうだよねという結果ですが、6~7割は海外からの客。チームラボの置かれている状況が反映されたものと思う。
 さて展示そのものについて、荒川修作(主に養老天命反転地)を思い浮かべながら廻った。裸足で歩かされ、普段忘れてしまっている足の裏の触覚を強く意識させられる廊下のテクスチャ。効率的には歩かせてくれず、全身運動する事で身体を意識させられる「やわらかいブラックホール」。ここまでなら荒川修作の時代でもできたことだ。ただし、プロジェクターの協調制御や大多量のLEDの協調制御による多数大量の光で空間を満たすような展示は荒川の時代には不可能だったもので、現代性があっておもしろいと、そう感じた。
teamlabplanets.dmm.com

企画展「大嘗祭」

 國學院大學博物館にて。
 好奇心や興味をそれなりに満たしてくれました。
 初めての訪れだったので、常設展示も初めて見たわけですが、国立歴史民俗博物館みたいな土器や石器が多数展示されていて、なかなかよかった。無料でこれが見られるとは。渋谷から歩いていけるし。
museum.kokugakuin.ac.jp

VAIO Pでcloudready

 2009年に買ったVAIO P(VGN-P92KS)が完全に使い物にならなくなる前に、web閲覧とテキストエディタには使えてくれたら貰い物、的な感覚で、↓ここらへんを参考にUSBメモリ買って試してみた。32bitで。
 残念ながら、USBからブートしてもcloudreadyの起動画面で停止してしまう。。。万事休す。
www.atmarkit.co.jp

apeman A79 アクションカメラ

 乳児の入浴動画を撮影するために購入。ヘッドストラップも購入。ブラックフライデー的なものでちょっと安かったので。
 頭に着けて、とりあえず1st tryはしてみたのですが、見事に防塵ケースが曇ってぼやけた動画がとれました。ケースのレンズのところに特に防曇コーティング等はされていないようなので、拭くなどしてケアが必要だということを学びました。
 カメラ自体はオートのホワイトバランスがイマイチですが、値段を見れば納得です。

「POSIT もしもを置く たとえばを収める」三澤 遥のデザイン

 松屋銀座のギャラリーにて。平日だったので、独り占めにできる時間多し。
 白い紙から2穴パンチで切り離された直径6mmの紙(のようなもの)と、木材(に掘った溝や窪みや図形など)とで構成される“純度の高い透明性の”配置。
designcommittee.jp

(euglena) Exhibition Seek foundations

 コートヤードHIROO3階のギャラリーガロウにて。
 「watage」でメディア芸術祭の新人賞を受賞した(euglena)の個展。
 展示されているのは

  • watageとその制作模様(webでも観られる)
  • 落ち葉で作ったリボンで道端の猫じゃらしを飾る「Tranquil Signal by Nature Made
  • 新作(名前がわからん)

の3種。個人的には「Tranquil Signal by Nature Made」が印象的だった。
 落ち葉を正三角形に切り抜いたものを2つ組み合わせてリボン型としたものを、各地のねこじゃらしの茎上部に接着し、装飾するというもの。接着の仕方には一考の余地があるように感じたが(糊は芸がないなと)、子供であれば間違いなく、おそらく大人でも見つけたらにっこりしてしまうんじゃないだろうか。個人的に、社会運動的な意味合いでのこの手のナッジ的なものに興味を持っているので、刺さった。
 気持ちはすごく分かるけど、watageの展示がアクリルボックスに収められたかたちでであったのがとても残念。だって、もう、「インタラクティブインスタレーション」じゃないよね。メ芸見に行ったからいいけども。
cy-hiroo.jp

台湾男子がこっそり教える! 秘密の京都スポットガイド―左京区男子休日

 主に宇野常寛が薦めていたために読みました。台湾男子がこっそり教える! 秘密の京都スポットガイド―左京区男子休日。
 わけあって、この本の舞台である左京区(南部)で6年ほど活動していたので、懐かしさが強い。
 京都に住んでいたものとして、私見を述べると、京都の魅力はカオスとダイナミズムである。遠方の人や一般的な観光客からすると京都は古都であり歴史的な町並みや建築物、寺社仏閣の街なのだと思う。でも、京都は有力企業を何社も持つ現代も生きている政令指定都市であり、かつ関西における大学の街でもある。つまり京都には一般的なイメージの「古い」ものや伝統工芸だけでなく、最先端の工業もあれば大勢の住民もいる街であり、しかも工場は別とすると、結構モザイク状に街の中に混在している。自転車や歩きで移動すると、ちょっと移動するだけで町屋から若者の街を通り過ぎ猥雑な繁華街にまで至ることができる。こんなにカオスな街はなかなかない。
 そして、先述の通り大学の街ということは毎年毎年住民の新陳代謝が起こるということである。死んだ街ではなく、常に最新の状況にアップデートされる街なのである。京都住民自体も見栄っ張りで(偏見です)街を常にダイナミックに更新していっていると思うのだけど、やはり若者が毎年毎年供給されてくるのは何物にも代え難いダイナミズムを街にもたらしている。
 本の感想というより、自分の思いを綴っただけになってしまった。ただし、もう10年以上昔の話ですが。

台湾男子がこっそり教える! 秘密の京都スポットガイド―左京区男子休日

台湾男子がこっそり教える! 秘密の京都スポットガイド―左京区男子休日

なつぞら

 2019年上期の連続テレビ小説
 一言で感想を言うと、これじゃないんだよな。
 メンタルもフィジカルもタフなスーパーウーマンがブラック労働環境で特筆すべきものをつくりあげました、という高度経済成長時代の物語が、今語られるということにどういう意味があるのかということ。
 作中、開拓者として、柴田泰樹や奥原なつ(おそらく坂場一久や奥原咲太郎なども)描かれている。そうすると、このドラマは何を開拓したのかと問わざるを得ない。
www.nhk.or.jp

高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの

 高畑勲展。東京国立近代美術館にて。金曜日昼過ぎというのに、すごい人出。
 基本的には図録を買いに行ったようなものなのですが(図録はミュージアムショップでも売っているので展示会場に入らなくても入手できます)、せっかく竹橋まで行ったのでついでに展示も観た。
 副題の通り、時系列に従って高畑の携わった仕事とその際に開発した演出手法が展示されている。某朝ドラのおかげで、急激にアニメ制作について詳しくなった我々は、原画や絵コンテやセルなどを見て興奮する。
 ハイジの世界的なジオラマのみ撮影可。
www.momat.go.jp
takahata-ten.jp