リズと青い鳥

山田尚子監督、リズと青い鳥。Netflixにて。 彼女たちのまなざしにて、北村匡平がこれまた魅力的に演出を取り上げていたので、気になってみた。冒頭5分ほどのシークエンスは素晴らしかった。ここだけで心動かされ、アニメーションという技法を自分が過小評価…

うるしとともに ―くらしのなかの漆芸美

六本木は泉屋博古館東京にて。初めて行った。前の通りは通ったことあったけど。 展示室4つのこじんまりとしたスペースで漆そのものの魅力というよりは螺鈿・蒔絵をメインに据えたような展示だった印象。個人的には「長寛好獅子唐草文 箔絵会席膳椀具」これが…

理系人に役立つ科学哲学

理系人に役立つ科学哲学。ごめんなさい。借りて読みました。半年くらいかけてゆっくりと。 Amazonのレビューを見ると、懐疑的なレビューもあるのだけど、面白く読んだ。 それ相応には工学を修め、その後も科学や工学にかかわる分野に携わって云十年だが、恥…

江之浦測候所

杉本博司設立の江之浦測候所。午後回で。 海岸線からすぐに高台が立ち上がるような地形で鈍角の湾に面しており、(訪問日の天気が良かったこともあり)そもそも「いいところ」。みかん畑レモン畑が敷地内にあり、それも良い。そこに土地と縁もゆかりも無い時代…

すばらしき世界

西川美和脚本・監督、すばらしき世界。Prime Videoで。 冒頭淡々とした描写を終え、東京で弁護士家族、ディレクターと心通わせていく描写に、こっから下げてくるんだろうなと身構えイヤな気持ちになりながら観た。ほのぼの音楽まで流してたち悪いな、と(いず…

2023年読んだ本・観た映画・観たドラマ

下記のように一覧にしてみると、振り返れてよいですね。結構いい歳になったので、これから死ぬまで習慣にしていきたい。こんなにも、時間が空いたら映画見るよりも展示を見に行くことを優先しているのは感覚的に理解はしていたものの、数的に見えて改めて理…

倉俣史朗のデザイン ―記憶のなかの小宇宙

倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙。世田谷美術館にて。 今日観られる展示でなかなか興味を惹くものがなく、消去法的に。 一応平日なのだけど、さすがは世田谷、結構人がいる。なんなら児童もいる。 展示に対しての感想は、あっ確かにセンスいいな。美…

日常の絶景: 知ってる街の、知らない見方

ドラマから興味がわき、原作というか元ネタ本。 これは内容もさることながら、思想的に非常に親近感がわくし、同意できるところが多い。というかフォローしたい。 あとがきまで読むと、この出版社も、編集者も、キーなのだなとわかり、時間のある時に調べて…

「100円ショップ」のガジェットを分解してみる! 《Part3》

1、2に引き続き。回路図が読める書けるともっと面白いんだろうな。「100円ショップ」のガジェットを分解してみる! 《Part3》 (I/O BOOKS)作者:ThousanDIY工学社Amazon

「100円ショップ」のガジェットを分解してみる!《Part2》

「100円ショップ」のガジェットを分解してみる!《Part2》。part1に引き続き。「100円ショップ」のガジェットを分解してみる!《Part2》 (I/O BOOKS)作者:ThousanDIY工学社Amazon

「100円ショップ」のガジェットを分解してみる!

ThousanDIY著、「100円ショップ」のガジェットを分解してみる! さらっと読めて工夫が覗けて面白い。あまり刷らなそうなので、手元に置いておこうと。「100円ショップ」のガジェットを分解してみる! (I・O BOOKS)作者:ThousanDIY工学社Amazon

なぜAppleは強いのか

テカナリエ清水さんのなぜAppleは強いのか。 日経エレクトロニクスを毎月読んでいるので、もちろん見たことのあるものばかりではあるのだけど、1冊にまとまっていて、読めるのはそれで技術の連なりも見ることができて面白い。 後半部のiPhone14Proからは、A1…

Maker Faire Tokyo 2023

ビッグサイトにて。 魔改造な人々やニコ技な人々等々、リアルにお見掛けしつつ、いまだにいろいろしていない自分に刺激を得たものの、これだけの人混みに2時間近くウロウロするだけで、へとへとに疲れました。。。 みんな楽しそうでうらやましい。私も楽しく…

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン

アーティゾン美術館にて。 入口からインスタレーションというか、観客の感覚に攻め込んで来る攻撃的な作品で一撃を加えられ、ひるんだけども、その後は私の知っている山口晃だった。 個人的にインパクトがあったのはパラリンピックのポスターだったけども、…

季節のない街

TV

宮藤官九郎脚本、季節のない街、ディズニープラスにて。 現代劇とは思えないくらいの突飛で感情移入の難しい登場人物に取り囲まれるので、2話くらいまでどう観たものかと戸惑ったのだけど、3話くらいからリズムがわかってきて、観た。 まあ、そうか、という…

700-AC023

サンワサプライの45W出力USB充電器700-AC023が充電できなくなり、焦げ臭くなったため、分解。 外観 プラグ面の角が一周はめ込み面っぽかったので、細いものでこじって解体。 内部A内部裏面 こんなところが炭化しかけて発熱したんでしょうか・・・? 炭化溶融…

蓮沼執太 池谷陸 田中せり / unpeople

洋書専門店なのか不思議な雰囲気の書店にて。 post-books.info

高田冬彦『Cut Pieces』

WAITINGROOMにて高田冬彦の個展『Cut Pieces』 いずれも性的に眼差した男性を表現されるオブジェクトとした作品(性的に眼差すのは作家と観客)。私の性的嗜好からすると特に面白くはないはずなのだが、考えさせられた。 世に流通するあまたの女性を性的に眼差…

すべて忘れてしまうから

TV

岨手監督、沖田修一監督の名に惹かれて、すべて忘れてしまうから。ディズニープラスで。 フィルム調の画作りで、物語の展開も豪華な俳優陣も毎回の音楽もすべて楽しめたけど、原作が大したものじゃないんじゃないかな、と。岨手さんはなぜこの原作でやろうと…

大規模言語モデルは新たな知能か

PFN岡野原さんの大規模言語モデルは新たな知能か。 経緯や基礎知識がそんなにない人にも届くように書かれたLLMのインパクトと可能性にも触れた本。さらっと読めて、引っかかるところはNN等の仕組みのところの開設のところくらい。 p.92からのニューラルネッ…

君たちはどう生きるか

言わずと知れた宮崎駿原作・脚本・監督、君たちはどう生きるか。渋谷TOHOシネマズにて。 いろいろと言いたくなることが沸き上がってきては小休止して、良いとも悪いともその良し悪しの判断が下せないのだけど、すごい映画であった、とは言える。 久しぶりに…

失敗の本質

失敗の本質。文庫にて。 毎年8月になるとNHKのドキュメンタリーで「戦争」を取り扱ったものがたくさん放送されるものの、気乗りせず、ほとんど見てこなかった。本書は名著として称されること多く、取っ掛かりとしてもよいかなと手に取った。読んでよかった。…

掃除婦のための手引書

ルシア・ベルリン著、岸本佐知子翻訳の掃除婦のための手引書。文庫で。 読んでも頭に入ってこない時もあって、結構時間をかけて読んでしまった。確かに手触りみたいなものが他と違って残るところがある。 印象に残ったのはところどころあるが、「いいと悪い…

ちょっと思い出しただけ

松居大悟監督、ちょっと思い出しただけ。時間ができたのでNetflixにて。 描かれる世界は狭いので、批評的には成功しないだろうなという感想なのだけど、よくできているし、作家として恥じらいは百も承知でさらけ出してきたセンチメンタリズム全開で、嫌いに…

シスターフッド

菅実花の個展を観にGallery10[TOH]へ。D論が置いてあって手に取って読めるので興味深かった。 View this post on Instagram A post shared by GALLERY10 (@gallery10.toh) www.instagram.com

暇と退屈の倫理学

國分功一郎著、暇と退屈の倫理学。文庫で。途中中断を含んで1年くらいかけて読んだのか。 尊敬の念を持ちながら、過去の偉人たちの考察を批判的に論じる様を並走して読むことになる。偉人たちの議論の破綻と各種引用を繋いでいき、論を進める様は鮮やか。 読…

ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会

へザウィック・スタジオ展を観ると500円でこちらも観られるというので、つい。タイトルからして、嫌な予感はしたのですが、、、まあ500円なら。 文脈依存性の高いコンセプト重視の作品が多く、美術館が用意した説明文を読んで作品を一瞥すると満足してしまう…

へザウィック・スタジオ展:共感する建築

森美術館にて。 部分の集合が全体であるという思想が強そうなスタジオの企画展。小さいものだと椅子から大きいものだと建築まで、なかなかに興味深い造型で面白かった。ただ、建築は現物を観ないと、とやはり思うのでした。 鏡面仕上げの金属や樹脂の上のほ…

退屈な日々にさようならを

今泉力哉監督、退屈な日々にさようならを。Prime Videoで。 ENBUゼミナールには思うところがあり、そこは気になっていたが、この作品を誰かが激賞していた(誰だったか・どんなだったか完全に忘れてしまった…)のをみて、ずっと気になっていた。そしてPrime Vi…

プリズナー・トレーニング

ポール・ウェイド著、山田 雅久訳のプリズナー・トレーニング。中野慧氏が薦めていたのになんとなく惹かれて。 プリズナー・トレーニングが何か、convict conditioningが何かについては、いくらでも記事があるので、ここでは触れない。本書は3パート構成にな…