相米慎二監督の風花を見た。
最近、何かが欠けている人間や、何かを失った人間が回復する映画を見ている気がする。「うなぎ」もそうだった。妻を殺してしまった男が、周りの人との触れ合い、女との触れ合いを通じて「トラウマ」(手に残っている人をさした感触)を癒していく、言い替えれば受け入れていく映画だった。この映画もそうだ。風俗嬢で、娘を5年間放っておいて、今さら親の面さげることを拒否された女と、免職されたキャリアのエリートの物語だ。
この映画で相米慎二は何を言わんとしていたのだろう。途中に挿入されていた「風花」(細かい雪が風に乗って花びらのように舞う様子)の中で、ゆう子が踊るシーンは何だったんだろう。自殺未遂を通して、ゆう子は子供と暮らすことを決める。何が大切か、何を守りたいかに気づいたんだろう。
村上龍の言葉を思い出す。
「何が欲しいか分かっていないやつは、永遠にそれを手に入れることができない」
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