竜馬がゆく

 3週間かかったがやっと読了した。
 読後の爽快感は言葉で表せないくらいであり、終わってしまったという一抹の寂しさも感じる。一言で言えば、大作だった。陳腐な表現だけど、これでいいと思う。
 何よりも坂本竜馬をはじめとする登場人物たちが魅力的であり、一人一人が作者司馬遼太郎の手を離れて勝手気ままに動き回っているかのようにも思える(実際そうだったのだろう)。作者司馬自身がほれ込んでいる人物には肩入れして書いてあるし、彼が不快感を持った人物はそれが存分に反映されて書かれている。つまり、すごく主観的な小説なのだ。その点では好き嫌いが生まれてしまう小説かもしれない。僕自身は大して気にならなかった。
 主に竜馬の横の視点から書かれているが、その視点は空に飛んで世界を見下ろしてみたり、庶民の視線まで降りてみたりとかなり自由気ままだ。おかげでとてものびのびした小説世界になっている。
 もう40年以上前の作品であるが色あせず、十分すぎるほどに魅力を湛えていると思った。3週間かかっても呼んだ甲斐があった。

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)


竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)


竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)


竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)


竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)


竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫)


竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)


竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫)

竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫)