さようなら、ギャングたち

 高橋源一郎のさようなら、ギャングたちを読んだ。固有名詞がたくさん出てきて、しかもそれがメタファーばかり、だと思うのだが(そこまでは分かる)、そのメタファーをほとんど読み取ることができず、つまり、なんか釈然としなかった。
 一言で言えば狂っていると言えるんだけれど、確かになにか魅力をはらんだ虚構の世界で(自分で名前をつけるのが流行していたり、死んだ人間がしゃべれたり)、最後まで読んでしまった。でも、メタファーの意味することが分かれば、もっと面白い小説なんだろうなと思う。とにかく、乱雑に扱ったら最後、全部崩れ去ってしまうような、危うい輝きがあると思う。とにかく、日本語というより言葉遊び?の魅力がつまっている。
 いつか近いうちに再読したいと思った。

さようなら、ギャングたち (講談社文庫)

さようなら、ギャングたち (講談社文庫)