17歳のポケット

 山田かまちの17歳のポケットを読んだ。一気に読んだ。
 彼の書いたデッサンや水彩画、詩(のようなもの)が散りばめられている。全部、若く荒っぽい。正直こっぱずかしくなるようなものが多い。でも、だからこそ心を揺さぶるものがある。共感することがある。感情や考えは言葉や音楽や絵にしなければ伝えなれないが、それらには限界があり、それで翻訳した瞬間に間違いなく損なわれてしまう。これから自由になりたい。幸せになりたい。そんなもどかしさが「日本語」に翻訳された詩(というかメモ)がたくさん書きつけられている。
 荒っぽいからケチをつけるのは容易い。でもそれを超える何かがある。
 かまちと同じように、僕も思ったことが思ったとおりにここに書くことすらできず、絶望する。

17歳のポケット (集英社文庫)

17歳のポケット (集英社文庫)