偶然

 クシシュトフ・キェシロフスキ監督の偶然を見た。
 のっけから映像の断片の羅列で始まり、芸術臭がぷんぷんしたので、こりゃ小難しいのか、と身構えたが、見てみると良くできたお話だった。
 医学生が電車に乗ろうとしている。だが電車は発車してしまった。青年は走り出すが…
というところで、偶然による3つのパターンを与え、それぞれについて物語が提示される。昔テレビでやってたifもしもみたいなつくり。そのそれぞれで、最初の映像の断片が見る側に説明される。キェシロフスキの作品を見るのはこれが初めてだったのだが、メッセージ性があり、よくつくりこまれていると感じた。これが僕よりも年上だとは。
 ラストシーン、おお怖っと思わせるだけの脚本だった。