終わりなし

 クシシュトフ・キェシロフスキ監督の終わりなしを見た。よくわからなかった。
 時間を忘れて画面に見入ってしまった。それくらい物語に入り込んでいたのに解らなかった。物語は弁護士である夫を失った妻を主人公として進んでいく。どうしても埋めることのできない心の穴。そして彼女は夫のもとへ行こうとする。このあらすじだけを読めば夫婦の愛を描いた作品のように感じるだろうが、そう単純ではない。どれが伏線なのかわからないのだ。むしろ伏線なんてないのかもしれない。すべてがそのまま物語の中の現実であり、メインもサブもないのかもしれない。そういう意味で言えば激しくリアルな映画だろう。また見たいと思った。