山の郵便配達

 山の郵便配達を見た。舞台は中国、起伏の激しい山林。そこで徒歩で郵便配達をしていた男から、その息子に仕事が引き継がれていくさまを、圧倒的な風景と共に描いた映画だった。この映画はコミュニケーションを描いている。郵便配達という目に見えるコミュニケーションだけでなく、郵便を受け取ったり出したりする時の村人と配達人との間の心の交流。そして、郵便配達人である、父子の心の交流。それを淡々と描く。次第に打ち解けていく父子。ただ郵便配達をするだけでなく、心を込めて、形にならないものをも「配達」している父。そして村人は彼に感謝しており、そのことをちゃんと伝える。ここには一方通行ではない、相互の、コミュニケーションが成立している。
 最近コミュニケーションというものについて考えている自分にはタイムリーな映画だった。見てよかった。中国映画をなめていた。やはり、映画の良し悪しは、見てから判断しなければ。

山の郵便配達 [DVD]

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