太宰の原点であると言える晩年を読んだ。
どの作品にも太宰自身が潜んでいて、自嘲、自己愛…etcと自意識過剰で、オナニー的な小説集だけど、何かしら読者に訴えるものがあると思う。本人は遺書のつもりで書いたと言っているが、全ての作品をどうしようもない暗い影が覆い尽くしている、なんてことは全然無く、むしろ明るい雰囲気の作品が多い。作品の「仕組み」にしても、かなり意欲的に新しい構造に挑戦していて、後の太宰とはちょっと違う感じで面白かった。
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 文庫
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