屈辱ポンチ

 町田康屈辱ポンチを読んだ。これぞ町田康といえる口語なのかいやいや古語なのか、よくわかんない言葉で、独特のオノマトペが目を惹く。でも僕はもう慣れっこになっているのでありがたみは薄い。そして一歩引いて見てしまえば断然おかしいのだが、読んでいる最中は妙に納得しつつ読んでしまう例のごとくのストーリーである。
 やはりと言ってはなんなんだけど、何なのかよくわからない、僕の理解の範囲を超えた異世界とこの世(この世って言葉はおかしいけど代わりの言葉が見つからなかった)とが交錯する。
 解説で保坂和志は言う。これがリアルなのだ、と。あなたは夢の世界で次に起こることを予想できるかい?できないでしょう?と。僕は「リアル」というものをはき違えているのかもしれない。当たり前というもの、常識、を崩してくれるかもしれない小説だ。
 そして、レンタルビデオ店で永瀬正敏主演の「けものがれ、俺らの猿と」を見たことがあるのでそいつを見てみたいという衝動に駆られた。純粋に、これをどう映像化するのっていう興味です。調べてみたら鳥肌実も出演してるみたいだし。

屈辱ポンチ (文春文庫)

屈辱ポンチ (文春文庫)