こうばしい日々

 江國香織のこうばしい日々を読んだ。なんか物足りなかった。
 小さい頃からアメリカに住んでいて、国籍もアメリカだし、日本語もしゃべれない、姿以外はアメリカ人の少年大介の視点で綴られる物語で、会話が多く、すごく読みやすい。が、読んでいて、どこか現実感に欠ける。アメリカという舞台を設定しているからわざとなのかもしれないけど。この現実感の無さは村上春樹の小説に通ずるところがあると思う。アメリカの匂いでもあるかもしれない。でも、2人の小説には決定的な違いがあって、江國香織の小説にはメタファの匂いがあまりしない。なんというか、よりライトな文章。
 でも、どうしても腑に落ちない感じがある。もう小学生のような心を持ってないってことだろうか?

こうばしい日々 (新潮文庫)

こうばしい日々 (新潮文庫)