陶芸の森陶芸館

 信楽にある陶芸の森陶芸館に行ってきた。この日の展示は「北欧のスタイリッシュ・デザイン」でフィンランドのアラビア窯というところの製品がところせましと展示してあった。
 結論から言えばなかなか興味深かった。壷や絵皿だけでなく、コーヒーカップやソーサー、などのデイリーユースの器にも哲学があり、また、造形的にも美しい曲線(またはあえて直線)を持っていて、色も考えられていて、見ていて思うところがある。少しくらいは。最後に展示されていた、現代芸術的な作品―素材が土であると言うだけで実用的な価値のないもの―は僕にはよくわからないものだらけだった。
 この陶芸の森には、美術館である陶芸館以外にもたくさん施設があり、また広い敷地内に77の屋外オブジェがある。これもなんで土でつくったんだよ!!と言いたくなるようなものがあり、不明だったけど、散歩するにはいいとこだった。陶芸館以外の施設では、スタジオみたいなのがあり、日本全国もしくは世界からアーティストに長期滞在してもらい、実際に何か作品をつくってもらったり、参加者を募ってワークショップを催したりと、積極的に活動している。今では芸術というのは、普通の人からは遠いところにあって、たまに美術館という唯一ののぞき穴から見るものではなく、誰もが関わっていくものなんだなと改めて思った。