レインメーカー

 フランシス・フォード・コッポラ監督のレインメーカーを見た。おとぎ話だった。けど見てよかった的な美談だった。マット・デイモン演じるルーディの精神的なサクセスストーリーだ。
 言ってしまえばリアリティのない、夢の世界を描いている。ルーディのような毒されていない若者が成功することなど、ない。成功は誤差の範囲だ。でも、この勧善懲悪のストーリーは観客の心をつかみ、ひと時とは言え小さな満足感を呼ぶだろう。残念な世界である世間を暗いトーンの映像で表し、ルーディに共感するようにストーリーだけでなく映像をつくってあって、よくできたドラマって奴だと思った。うまくできてる。でも穴っていうかツッコミどころは満載だから、一つでも引っかかったら何も面白くない2時間半になるだろうね。
 最後に、ダニー・デビート演じるパートナーが「司法試験なんて楽勝さ」と言って狭い階段を下り、外に出て行ったのが象徴的だった。

レインメーカー [DVD]

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