河童・或阿呆の一生

 芥川龍之介の河童・或阿呆の一生を読んだ。あぶないあぶない。
 芥川の最晩年の作品集であり、死後発表の作品が含まれているこの本には死の匂いがぷんぷんしている。芥川らしくなく私小説的であり、絶望に満ちていて、病的で、太宰みたいに精神衛生上よくない小説ばかりだ。病んでるときには親しみを感じるし、生命力のあるときには受け入れがたい。読まないほうがいい小説か?ある意味すごいっちゃすごいんだけど、決してこういうのを書ける人になりたくない。

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)