どんてん生活

 山下敦弘監督のどんてん生活を見た。本当にしょうもない映画だった。
 作中何度か出てくる曇天の雲のように、流されていく何人かの姿を追っていく。なかなか立派なリーゼントの男といつもへらへらしている男とを中心に話が進んでいくが、もう本当にパッとしない。仕事は裏ビデオのダビングであり、パチンコ通いが主な生活だし、本当にしょうもない。
 見ていてカメラの構図にやたらと違和感があった。やたらと右上がりになっているし、画面の高さもやたらと下寄りだし。また近景と遠景を同時にフィルムに収めて距離感があるというようなのも気になった。いちいち「なんでだよ」とつっこみたくなるようなタイミングで出てくるので、ある意味効果的なのかな?専門家じゃないからわかりませんが。
 冒頭から1ネタ入れてきたりと、全編に渡って吹き出すような小さな笑いが散りばめられているが、つい笑ってしまって悔しいというような笑いである。半笑いしながらムカつきつつ見る映画だけど、見ても何一つ役に立たない時間の無駄な映画だけど、こういうのをぼんやり眺めていられるのも乙なのかも。全くもって青くないので、決して青春群像とは呼びたくない。