ショートカット

 柴崎友香のショートカットを読んだ。
 遠距離恋愛をしている、もしくはしていた女の子と彼氏でない男とが同じ時間を共有するそのひと時を描いた短編集であり、となりにいる男と遠くにいる思いを寄せる男との距離感の差が女性的な感覚の抑えた文章で描写される。やはり簡単に飛び越えることのできない―ショートカットできない―物理的な距離。そしてそこから生まれる精神的な距離。人恋しさ。
 うまく書けないけど保坂がほめるのがよくわかる小説であり、空間的な何かや時間的な何かが小説中に再現されているような気がする。

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