ロンリー・ハーツ・キラー

 アルカロイド・ラヴァーズに比べて、読み始めのテンションがぜんぜん違って、これを読み進めると何かが変えられてしまうかもしれないというような、圧倒的な期待感と不安を抱きながら読んでいったのだが、ばっちり消化不良を起こした。描かれている内容が複雑なわけではない。ただ、ひとえに噛み砕いて、飲み込んで、自分なりの解釈というか、自分なりの消化ができなかった。この小説は、とっつきやすく、この日本の状況をなぞるように書かれているが、その中身はと言えば難解な厳しさがある。自分の目の前で何が起こったのか、まだ理解できていない。生きること。死なないこと。死ぬこと。

ロンリー・ハーツ・キラー

ロンリー・ハーツ・キラー