何で人々は任侠映画やマフィア映画を観るのだろう。月並みだが、異世界を見るという非日常体験なのだろう。この映画はぜんぜん弛緩しない。冒頭がまず、殺人シーンから始まり、何人死んだかまったく覚えていないのだが、絶え間なく人が死に続ける。イタリア系の家族のコミュニケーションのシーンが作品中に何度も出てくるが、そこにおいても会話は血生臭く、やわらかでハートウォーミングな印象はなく、命も絆も軽く、薄く、儚い。同じくスコセッシのギャング・オブ・ニューヨークを思い出すような懐古的なラストで締めくくられるのは、期待通りというよりは、またかよという印象だったが。
観ていて気になったのは、粘りつくように、舐めまわすように動くカメラワーク。エロスすら感じるようなショットが気になった。カメラワークさえ血生臭い感じだった。そして、多用されるストップモーションはこれも昔への懐古趣味か?
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2005/11/18
- メディア: DVD
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