風の谷のナウシカ

 話には聞いていたけど、映画とあまりにも違いすぎて笑けてしまう。はるかに複雑で大きな世界をつくりあげている(よくアニメ化したもんだ)。絵は描き込まれているといった感じではなく、この作品で感じるべきはそのストーリーに内包されるメッセージだろう。そもそも宮崎駿という作家はメッセージ性の強い作家であるけども、ナウシカにおいては世界が大き過ぎるというか、テーマが大き過ぎるというか、そんな消化不良感があって(残念ながら消化不良感は作品にあるのではなくて、読者である僕の側にあるのかもしれないけど、、、)、フィクションとして読んだ時に、何かしら引っかかるところがあった。特に終盤母なるものへの憧憬に収束していくことがとんでもなく気になった。宮崎駿が女性を描けないという意見をどこかで目にした気がするのだが、この作品中では女が描けていないというよりか(もちろん、僕が女をわかっていないのかも知れませんけど)、マザコンっぷりが強く顕れている。男なんて全員マザコン野郎なのかもしれないけども、そんなことを鵜呑みにするようなお話では男性に救いがない。人間が生きることの意味に、多少なりともの答えを出すこの話の趣旨からして、それはあんまりじゃないのと思ってしまった。
 っていうか1回読んだくらいででかい口利いちゃダメだな。