オールロケ、モノクロで、ジャンプカットや演者が画面から切れるほどのズームアップを用いて、全編脚本を書かず、インプロヴィゼーションでつくりあげた映画。ジョン・カサヴェテスのデビュー作。文学においては、作家のデビュー作にその作家の全てがあって最高傑作ってことが往々にしてあるのだが、この作品はそうであってもおかしくないくらいいい作品だった。他の作品観たことないけど最高傑作は他にあるらしい。表題の通りアメリカに潜む人種差別を描いていることは描いているのだが、それに(演出上)固執することなく、カメラは主人公のきょうだい3人を追いかける。映画の技術から言えば間違いなく下手糞だ。しかし、それがこの作品なんだと納得させるだけの力がこの作品には存在している。カサヴェテスの他の作品を観てみなければ、というのが、今の正直な感想。ジム・ジャームッシュも観たくなる。
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