頭山

 落語の『あたま山』を現代の文脈にあわせて、アニメ化したわずか10分の作品。話はといえば、「もったいない」が口癖の男が、捨てるのはもったいないってんで、さくらんぼの種を飲み込んだら、はげ頭から桜の木が生えてきて春には満開となり、頭の上で花見なんぞし始めてうるさいってんで引っこ抜いたら、今度はその穴に水たまり=沼ができて釣りだのなんだの始めやがって、「うわーっ」ってなって走って逃げたら目の前に水たまりがあったんだけど、それが自分の頭の水たまりだって気づいて狂って飛び込んで死んだ。という超ナンセンスジョーク。内容はわずか数行で書けてしまう簡単なものなんだけど(落語は全てそうだよね?)、大切なのはそれが観客に伝わる伝わり方なわけで、この作品ではシュールな描画(しかも鉛筆のタッチがそのまま生きてる)にナレーションを三味線に乗せてテンポよく話を一気に持っていく。10分の美学とかそうゆうのは僕にはわからないけど、まあ退屈はしない。面白いと思う。