レイクサイド マーダーケース

 青山真治ってミステリーも撮れてしまうんだなというのが正直な感想。映画のそこかしこにカメラワークにおける青山の上手さが見える。揺れ動く映像。スライドしていく人物。夜の美しい青色。
 主人公などの、誰かに感情移入するでもなく、外野から出来事を見ているだけの第三者になるでもなく、観客を絶妙な立場でいさせつつも、ドラマの中に引き込むだけの力を感じた。かと言って、そこまでいやらしくもない。これはやはり才能なのだろうか?
 原作が悪いのか、脚本が悪いのか、説教くさいメッセージをチラチラ見せてくるのがなんとも激しくうっとうしい。こういう時事ネタは個人の危機感とか想像力の問題で、なーんも考えていない人はいいメッセージと思うのかもしれないが、そんなことはわかっているんだよという人もいるだろう。まあ、これ見よがしに時事ネタ系のメッセージをあてつけてくるのはやめてほしい。
 そんなお話でありながらも、上手いなあと思わせるのは、青山の力が大きいだろうが、同じくらいかそれ以上に、役者がいい。大人たちの演技はなかなか面白い。特に元・名子役杉田かおる

レイクサイド マーダーケース [DVD]

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