映画という虚構に現実逃避してばかりいて、ダメ夫(めんどくさいから一言)のせいで不幸なヒロイン・セシリアが、スクリーンから抜け出してきた探検家と恋に落ちる、、、という設定としてよくありそうな物語。
観客(=ウディ・アレン=セシリア)が映画(フィクションと言い換えてもいい)を愛していて、映画の力を信じていることが前提の映画だから、そうでない人にとっては不可思議だし、面白くないし、くだらないだろう。
対して、フィクションの力を信じている観客にとって、この映画は興味深いと思う。結論として、フィクションの力を信じているセシリアはハッピーエンドを迎えることができず、ダメ夫と共にある厳しい現実に帰ることになるわけだが、これは一見、フィクションの力を信じた結果として幸せを得られないというメッセージとも取れてしまう。だけれども、セシリアは虚構であるトムを捨て、現実であるギルを選んだわけで、そう考えればセシリアが厳しい結末(=現実)を迎えることは当然、というか映画の中の論理として、そうでなければならないだろう。ノスタルジックな古き良き時代の映画へのオマージュでありつつも、軽く毒を効かせてある映画。
あんまり美人じゃないんだけど、ミア・ファローが魅力的に見えてしまった。演技派?
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