やつが監督してるというのが端々からにじみ出ている作品。ゆるいと一言で言うのは正確じゃない気がして、言葉を捜してみると、ズレているなんていうこれまた陳腐な言葉しか出てこない、山下敦弘らしいと表現するのが一番しっくりくる雰囲気。あいにく、この原作となっているつげの作品は読んだことがなくて、原作と対比っていう楽しみ方はできなかったけど、知り合い以上友達未満というふわふわした関係でありながら、一緒に旅をするという二人の浮遊感が楽しいし、時折共感すらできる。山本剛史が1カットしか出てないのが少し残念だけど、外タレで笑いとってみたり(外タレは反則な気もするけども)、十分に面白い、時間を無駄にした感覚は生まれない映画だった。
やつが監督した作品はいくつか観ているけども、この映画が最もショットが美しい。一面雪の砂丘で敦ちゃんが一人戯れているショットとかなかなかきれいだし。
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