京都国際学生映画祭part4

 「GHOST OF YESTERDAY」。父親を失い、母がイカレてしまっている家族。前作、「目蓋の影に色彩を。」と同様、歪みを生じた家族を描く。この映画を観て、映画がわからなくなった。どうやって評価とやらをしていたのかがわからなくなった。何ゆえに人様の努力を僕の拙い言葉で評することができるのだろう。わからない。だからスクリーンで起こっていたことをつらつら書いてみたい。
 前作同様、画面の切り取り方が異質だった。(外のシーンは良く覚えていないのだが)家の中でのショットでは、常に観客が観たいと思う、ステレオタイプ的に目を遣る部分が画面からはみ出している。もしくは画面外に存在している。スクリーンの外を想像せざるを得ない。映画世界がスクリーンの外にまで染み出している。実に違和感のある映像であるんだけど、ショットショットが短くなく、動きも緩慢というかゆったりで、ブレたりしないので心地よい。内容が重たいので、見た目があまりにもいびつだと注意力散漫に陥ってしまうが、それは避けられている。
 ストーリーはどうだろう。言葉が見つからない。
 前作よりも前に進んでいる。映画として完成度が高くなっている。だが、それがいいことなのか、悪いことなのか、わからない。