SAW

 一人で夜中に部屋で見る映画でないことは確かだった。観ていて、怖いし痛い。映画の節目節目で暗闇や背後など、自分の死角に神経が張り巡らされていくのを感じた。
 まず、何よりも、画面に観客を釘付けにするだけの魅力を持っていて、冗長にならない脚本の良さと映像の残虐性に惹きつけられていて、恐ろしくて観たくないんだけど、(怖いもの観たさで?)つい見入ってしまった。観客はまず完全なる無知の状況に放り出され、情報が出し惜しみされながら、しょうがないな的に小出しで餌のように与えられるので、もう、飢えてしまっていて、作り手のなすがままになってしまう。今から考えれば、音楽にも煽られていたのだろう。ドンパチが行われているとき以外はストーリーが弛まずに緊張感ピリピリで最後まで突っ走る。テレビで観たから、要所要所にCMで休みが取れたけども、劇場で観たら終わったあと疲労感たっぷりだったと思われる。
 個人的にはメッセージ性というのはたいしたことないと思うが、そこら辺も評価する人がいるみたい。久しぶりにこの手の映画観たけど、得した気分で、エンターテイメント性は重要だと感じました。

SAW ソウ DTSエディション [DVD]

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