映画を意識したのだろうか、というような、他の村上春樹作品に比べて視覚的な小説。ただそれが機能しているかというと、機能していないだろう。彼の作品の中では駄作の部類ではないだろうか?
まず、最初の描写からして、あんまり読者の気を引かない。これが許されるのは、彼が村上春樹であるからで、これがもし、文芸誌の無名の作家の作品であれば、ここで読むのを止めるだろうと思えるくらい面白くない。読み進めれば、なるほど確かに村上春樹の小説である。わずか7時間の話であるが、興味深いエピソードが、唐突に始まり、心が沸き立つその感触を味わうことはできる。
でも、直感的に駄作と言えるほど、他の作品に比して魅力に欠けている。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/07
- メディア: 単行本
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