未知との遭遇

 2時間越えてるし、かなり古い映画なのに飽きずに観れた。これは結構驚くべきことで、たぶん僕のツボに近かったというそれだけだが。
 興味をくすぐられるものを突きつけられて、どうしても我慢できなくて、狂ったようにそれを追いかけてしまうことで、今持っているもの―この映画では家庭だが―を失う…なんてのはよくある話の筋で、別にものめずらしくもないのだが、その狂気の突き進み方の臨場感というか単なる恐怖心というか、それが観客としてかきたてられまくった。そして、「未知」が宇宙人とわかるのはかなり後のほうであり、それが示唆されるような事柄は最後まで何一つ観客には与えられず、ただひたすらに「未知」は「未知」として棚上げされたまま物語りが進むので、観客としては追体験してるような、そんな心持ちで観るハメになって、飽きることができなかった。
 トリュフォーが役者で出てて、しかも結構はまり役なのが面白かった。宇宙人も聴覚と視覚と触覚に頼っているところが夢がねえと思った。