大方の評判通り、とにかく痛い、観たくない、不快。でも近年のドイツ映画らしくうっとおしい音を除けば、映画の世界から醒めることなく、見せられてしまうようなドラマの力がある。そうそう、これは映画というよりドラマな気がする。人間の精神の脆さと変化の様子は無理なく感じることができた。
非常に閉じられた世界にもかかわらず、現実世界をよくサンプリングできていると思うが、これは映画作家の腕じゃなくて、スタンフォードの人の才能でしょ?人間世界なんて結局狭い世界で近似できてしまうものなのかと思うと、切なさすら感じたが。あんまり退屈せずに観といてこんなこと言うのも何ですが、エロシーン必要なし。GyaOだと摩羅さんまでモザイクだったし。
何はともあれ、観客の期待通りに、物事は悪い方へ悪い方へと転がっていくんだけど、こういう展開の場合、観ていて期待を膨らませるのはオチをどうつけるのかということなんだけど、ちょっとぬるい気がする。どうせならもっと救いのない物語に仕上げて、俺のトラウマになるような作品にすればよかったのにと思う。性格の悪さなら、ラース・フォン・トリアーの方が一枚上手かな。刺激のほしい時に観たらいいんじゃない?で、ラース・フォン・トリアーの作品と連荘で観ればいいんじゃない?
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