まあ、俺は柴崎友香の小説が好きなので、何を言おうと結局いいという結論になってしまって意味がない気がするが、自分のために感想を書いておく。
いつもの彼女の小説のように、色気のない恋でふところにいくつか傷を持つ芽衣と音生の2人がトルコ→吉野川→石垣島とその場その場の音生の思いつきで感傷ツアーをしていくお話。音生が絶世の美女(男運悪い)という設定で、残念ながら僕はそんなにきれいな人は見たことないから思い浮かべにくいはずなのに、なぜかすんなりと物語に入れた。小説の論理も女性のものであるのに、違和感とかそういうものが出ないのがいつも不思議に思う。全部芽衣と音生の論理で描かれるのに胡散臭さを感じないし。
なんだろう、いいなと毎度思う。みんないい加減で、みんないびつで、みんなくすぶっていて、でもそれでいいというような肯定感が響いてくるのかしら?
- 作者: 柴崎友香
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/11
- メディア: 文庫
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