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甲子園を観て

 ここまで勝ち上がってくるやつらは若えしクレバーだし心動かすもんがある。
 甲子園の面白いところは、どれだけ強豪と言われようと彼らは高校生で、何かの拍子であっさりと負けてしまうことであったり、どれだけいい選手がいようといいチームの元では敗れ去ってしまうことであったり、秋や春からのほんの数ヶ月でものすごく成長してしまうことであったり、さらには甲子園という舞台にやってきてからトーナメントを勝ち進んでいく中で、成功体験を積み重ねて「自分たちはできる」というような自己暗示とともに成長してしまう、ある種「化ける」とさえ言えてしまうその過程を目の当たりにできることであったりする。
 延長になるような試合だと、どちらのチームにも勝機はあって、それを逃すことでゲームが続いているとも言えるし、どちらのチームもピンチを踏ん張ることでゲームが続いているとも言えるわけで、観客という完全に無責任な立場から見下ろすと、勝敗に関係なくどちらのチームにも賛辞を惜しまないのだけれど、選手からすれば勝つと負けるとは天地の差であって、その勝つということに、高校に入学してからの2年半の多くを費やしているわけで、その残酷さと無責任さと、それでもなお清々しく思ってうらやましい気持ちと、複雑な心境になるのだった。