フィールド・オブ・ドリームス

 言い訳が効かないほどの荒唐無稽なおとぎ話。子供の絵本レベルと言ってもいいかもしれない。これはアメリカンドリームでも何でもなくて(俺はアメリカ人じゃないから知らないけど)、単にフェアリーテイルに過ぎない。
 すごい勢いでわかりやすく伝える努力を怠っていると思う。飛躍は数数え切れないし、つじつまが合わないことも多々ある。こういうところだけアメリカ映画らしくて、実にいい加減。でも、だからこの映画がクソというわけではなくて(いや、もしかしたら極めてダメなのかも知れないけれども)、やたらと心に響くところがある。野球に対して何らかの思い入れがある人、もしくは精神年齢が少年・少女から変わっていない人、妄想力に長けている人、そういう人はこの童話に毛の生えた程度の物語を信じることができるかもしれない。この映画は夢を信じることを教えるような高飛車な映画でも、愛を教えるファンタジーでもなく、作り手の信じるところを形にしただけで、それを信じることができる人にとって、何かしらの感動があるかもしれない。それだけのこと。

フィールド・オブ・ドリームス [DVD]

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