トリュフォーのアメリカの夜。映画という表現形式の懐の深さを見せてくれる映画でしたとさ。
映画撮影風景と、その劇中映画とを共に映画の中に取り込んであるのだけど、登場人物たちの人間臭さというか、ギョーカイ人的というかフランス人的というか、圧倒的に気ままで自由なキャラ立ちがすごいことと、長回しの中で人間が動く動くという躍動感がこの映画の煩雑なストーリーでもわくわくしながら観てしまえるという結果に役立っていて、とにかくテンポのよさと、わがままな劇中映画の役者たちの盛りのついた猫っぷりが印象に残りまくった。
劇中で映画が出てくる映画として、ぱっと思い浮かんだのがウディ・アレンのカイロの紫のバラだったんだけど、バラの方がしっとりしているのに比べて、アメリカの夜は軽やかという感じで、まあ、当然どちらも映画大好きさん向けの映画です。映画史わかっている方がおもしろいんだろうけど、わからなくてもじゅうぶんおもしろかった。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2007/03/09
- メディア: DVD
- クリック: 26回
- この商品を含むブログ (19件) を見る