風櫃の少年

 侯孝賢の風櫃の少年。田舎の島から本土の大都市にやってきて、島にはないものを知り、島ではありえないことを経験するというお話。冒頭の風櫃でのストーリーではバカ4人組といった感じで、過ぎる悪戯があって、かなり危険なシーンもあるけども牧歌的な空気が漂っていて、同じ田舎の4人組でも青春デンデケデケデケとは全然違うなと思いながら観ていたのだけれど、高雄に渡り暫くして、島とは違う現実というものが見えてきて、友達の足並みが乱れて、恋を知って、現実を経験していく中で、阿清は明らかに顔からしても大人になっていく。様々なものを知る・経験することと、大人になることはイコールではないと思うのだけど、その違いって何なんだろうなと考えてしまった。
 関係ないんだけど、あれを観て以来、映画中で田舎の風景を観るとミツバチのささやきを思い出してしまう。あの映画でもフランケンシュタインという映画が意味を持つように、この映画でも映画というものは田舎の娯楽として大きな位置を占めていて、何かしら思うところがありました。

風櫃の少年 [DVD]

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