京都国際学生映画祭

 乗りかかった船なのでプログラムのコンペティション③と続いて行われた授賞式及び徹底討論へ。思えば5年連続で何かしらに顔出している。しかし、悪い意味が大きいのが残念だが変わらない。
 「PORNO」「兄、行則の日記より」「スーパー大学生 片岡次郎」「DEACON'S MONDAYS」の4本を観賞した。例年通り、海外作品はよくできてる。テレビで垂れ流す分にはもったいないレベルまでできている。DEACON'S MONDAYSの方はほどよく頭が悪くて気に入った。
 兄、行則の日記よりはまあ賞取ったけども、僕はさほど評価しない。まず、20歳を過ぎてる男の自省的なフィルムは見たくない。大人が自分探しの旅に出てるような感じで嫌気がさす。いや、もちろん大人の男が自分探しの旅してもいいし、自分を掘り下げる8mm撮ってもいいし、太宰治読んでもいいけど、それはそれがある種の退行的な行為であることを自覚すべきだと思うし、外にさらけ出すことではないと思う。個人的にではあるけれども。8mmを選択したことについては、現実世界とはちょっと違う、日記から立ち上がる世界を表現していたのかと思ったが、監督の発言を聞く限り違ったようだし、あんまり考えてなかったようだ。そして、この映画一回観ただけで理解できる人間がどれくらいいるのかが気になった。ま、僕の理解力不足の可能性が高いんだろうが。
 スーパー大学生 片岡次郎だけども、一言で十分だろう、中途半端。偏見たっぷりに評してやれば、まあ慶応のぼっちゃんだなという感じ。どうぞテレビ局でも行って業界人にでもなってください。一つ「おっ」と思ったことがあったはずだけど忘れた。
 今年の審査員荻上直子、棗田良成、渡辺あやの3人ともが評論を仕事にしている人間でなかったから選考がすんなりいったみたいだけど、誰か一人でも評論家がいたら烈火の如く怒ったんじゃないだろうか?基本的に、最終審査員が優しい、「まともな」人間だと、観客側からすれば面白くない。やはり、喧々諤々映画について熱く語り、喧嘩するくらいの勢いで審査してもらったり、評価してもらった方が面白いし、結果的にいい方向に向かうと思う。激しい討論の中から染み出してくるものが観たかったし、聞きたかったという思いがある。
 結局、以前から抱えている、明確な審査基準というのが見えてこなかった。スタッフにとってはいい経験であり、最終審査員と入選監督にとっては関係者と知り合う場であり、実に有意義な映画祭だと言えるけれども、落選監督からしたら非常に納得のいかない映画祭だと思う。他の入選作品観てないからアレだけども、習作をグランプリにしてしまってはいけないだろうし、今どき生理ネタでもねえだろうと個人的には感じてしまう。
 狙ったように土曜日24日のトップランナー渡辺あやが出てたのになあ。興行的にはどうだったんだろう。
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