ヤン・シュヴァンクマイエル 「ジャバウォッキー」その他の短編

 シュヴァンクマイエルやばいわ。この中にはデビューからの初期の作品が入ってるみたいだけど、とにもかくにもやばい。シュルレアリズムを体現しているのもあるし、日本語の意味で「シュール」なのもいくつか観られた。「ジャバウォッキー」はもう「アリス」につながる部分がいくつも観られる。意味わからないというか、気持ち悪いとか、なんじゃこりゃとか、そういうなんとも言えない気持ちになるのが病みつきで僕は観るのだけど、リンチよりも一線を越えていると感じるのは、ロジックでもって説明できなそうなところ。リンチの作品は、一見わけわからんだけども、実は精緻なロジックでできていて、間違ってはいたとしても説明できてしまう。たくさんの評論家が論理的に解釈し説明してくれているわけだし。でもシュヴァンクマイエルの作品はやつの趣味で選んだとしか説明できなそうなことがままあって、観客は黙って受け入れるしかないという圧倒的な強度を持っていると僕は思います。楽しかったです。

ヤン・シュヴァンクマイエル 「ジャバウォッキー」その他の短編 [DVD]

ヤン・シュヴァンクマイエル 「ジャバウォッキー」その他の短編 [DVD]