寝盗られ宗介

 つかこうへい原作の寝盗られ宗介。監督が若松孝二なんだけど、若松孝二ってこういう映画撮れたんだと、驚いた。若松孝二作品はひとつも観たことないけど、やつはエロスと運動専門の監督とガチガチの先入観を持ってました。すんません。
 なんというか、一言で表現するならば「古い」。1992の映画だけど、明らかに80年代以前の空気がムンムンに漂っている。原田芳雄演じる宗介のような、義理と人情至上主義で、男に二言はないという中年なんて80年代でもいなかったんじゃないだろうか?という、まあ、設定からしてトンデモ映画、ネタ映画なわけだけど、これがまた泣かせるね。畳み掛けるようなしょうもない登場人物同士のやり取り、原田芳雄や藤谷美和子、筧利夫柴田理恵のようなネタキャラクターそのもの、そういう雑多なものが収束して、できてる映画。そんな感じ。いいもん観た感はある。
 中上健次ってどこに出てた?

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