矢口史靖のひみつの花園。矢口史靖はウォーターボーイズだのスウィングガールズだのの知名度が高すぎて、フジテレビが好きで好きでたまらない人なんだなと思っていたのだけど、裸足のピクニックやらこのひみつの花園やら、ぴあに育てられた人間で、こういう映画を撮ってきた人だというのがやっとわかってきた。個人的には、その片鱗がウォーターボーイズだのスウィングガールズだのには垣間見えないのだけど。
生きるモチベーションをすべてお金に拠っている咲子さんとその周辺群像と言ってしまえるような映画で、咲子の説明は映画の導入部に示される高校時代の彼氏との以下のエピソードにものすごく象徴されている。
彼氏:えっ!?今なんて言ったの?
咲子:おごってくれるんなら、その分お金ちょーだい。(圧倒的真顔)
彼氏:ポカーン
そんな彼女がひょんなことから5億円のありかを知ってしまい、それを手に入れるために八方手を尽くすというのが流れなんだけど、まあストーリーは別にどってことなくて(いや、普通におもしろ脚本だと思いますけど)、咲子やゆかいな仲間たちのキャラであったりとか、大根演技が楽しい。西田尚美が若過ぎて青くてそれだけで面白いんだけど、周りまでまったくの大根演技(というか芸人的なリアクションの連鎖)で80分オーバーを持っていくその勢いに、飲まれるわけではないのだけど、やっぱり楽しい。ピクニックフェイスの豚面トラックさんとか徳井優とかキャストもネタより。当時の意図はわからないけど、モダンチョキチョキズと濱田マリが一回りしておもしろです。
自分がクズだという自覚のある人が観るのにふさわしいクズ映画。裸足のピクニックよりは断然とっつきやすいと思う。
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