小笠原旅行記2

 ひたすらにカップラーメンを食らい、食費を浮かし、本を読んではちょい船酔い→寝て復活を繰り返し、11時くらいに父島に着く。父島のちょいと北にある兄島やその他の島々を含めて、全体的な感想として、険しい。浜なんかなくて断崖絶壁ばかり。

 船を降りると宿の人々が。みな「おかえり」と言う。違う文化圏に来たなという実感がわく。宿に荷物を置き、同宿の人とおいしいと聞いた中華料理屋に入り、ラーメンを頼む。島の魚が大量に入っていてなかなかおいしかった。

 まったく何も計画せずに来たので、周りの人に聞いてみて、この日は宮之浜→長崎と遊歩道を歩くことにする。思ったほどではないが暖かい。Tシャツ一枚で十分。集落からちょっと歩くと植生がぜんぜん違うことに気づく。面白い。

 ちょいと丘を越えると宮之浜に着く。寒そうだが泳いでいる人もいる。海の色が違う。これだけでも来てよかったと思う。ここで同宿の人に会い、合流して長崎を目指す。

 小笠原はその位置からしても戦略的な土地だったことは想像に難くなくて、戦跡がたくさん残っている。トーチカは至るところにあるし、銃口を出すための穴なんか本当に無数に残っている。この暖かな気候と戦跡とのギャップになんとも言えぬ気分に浸りながら歩く。険しい。山羊の足跡と糞だらけ。遊歩道が尾根沿いにあるので景色は抜群。キョロキョロしながら歩いていると長崎に着く。ものすごい断崖絶壁。兄島を臨みながら流れの速い兄島瀬戸を観る。

 帰りは車道を歩く。ずっと下り道で、今までかなり登ったのだなと気づく。咸臨丸の碑や、ハカラメ(葉から芽が生えるから。だいたい島のものの名称はかなり安易で笑える)を観ながら下っていく。集落に着き、グァバアイスを食す。不思議な食感だけどおいしかった。

 宿に着き。この日は夕食を頼んでいなかったので、前出の彼と外に食べに行く。そして、寝る。島の夜は早い。みんな酒飲んでなかなか寝ないけど。