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対岸の彼女

 角田光代対岸の彼女。こんなに青臭いのが直木賞かよと突っ込み待ちな本。
 とは言え、青臭いの嫌いじゃないのでさっくり読めた。惜しむらくは、2回に分けて読んでしまったことで、読了してから思うに一気に読んでしまった方が、気持ちの盛り上がりの面でおもしろい類の本だと思う。物語の結末について、こうなってほしい、というか、こうなるべきだろという方向に落ち着いていて半分満足なんだけど、もう一個の伏線が気になってしょうがないのも事実だし、ラストの描きが他に比べて薄いというか、淡白な印象で気になった。ナナコと葵の別れの気合いの入りっぷりが半端じゃなかったので、どうしてもラストがもう一つ効いてこないというか、物足りない。角田光代ってもっと抽象的なのが好きな人だとばっかり思っていたから、ちょっと意外な小説だったけど、総じて満足のいく300ページ強だった。なんか、言葉にできないところで、心揺さぶられるお話でした。
 最近娯楽が紙メディアしかないので、ここ数年ないくらい小説読んでいてリズムが出てきて楽しい。

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)