アフタースクール

 しばらくぶりに映画館で。アフタースクール。こりゃあ、許しがたい。こんなものを造るからテレビ局に映画造らせたくないんだ。
 と、そんなことを書いてから言うのもなんだが、ものすごく面白かった。大泉洋佐々木蔵之介堺雅人もよかったし、その他筋モンの人も権力の犬たちもいい表情してたし、何より物語のリズムがよかった。音楽だけはセンスが感じられなかったけど、まあ思い出してみればカット割りも面白くは無かったけど、そんな些細なことは問題にならないほど面白かった。これは会場がちょくちょく笑っていた(あれ?日本人ってこんなに映画館で観ながら笑う人たちだっけ?と思ったくらい)ので個人的なものではなく総意だと思う。
 じゃあ、なんでこれが許しがたいかと言うと、よくできた2時間ドラマに過ぎないから。1800円(私吝嗇ですから)払う価値はないから。確かによくできた脚本だと思う。結構多い人間を物語中で操って、すべてのエピソードをちゃんとエピローグまでで回収しきっているし、俳優たちのキャラも見事に巧く引き出されているし、立っている。難解なところなんか一つも無い。けど、そんなものには反吐が出るんだよ。回収できてしまう登場人物たちの物語なんて嘘っぱちなんだよ。私は監督が巧いというのを確認したいんじゃないし、よくできたわかる物語を観に行きたいんでも無くて、なんか現実を超えてしまうようなフィクションが観たいんだよ。最後に取って着けた様に教訓たれてくれる物語なんか大嫌いなんだよ。特に胡散臭い大泉洋にいいこと言わせるようなセンスはどうなんだよ。つまり、このドラマとは求めるものが違うということで、もちろん、私が観に行かなければよかったと言う結論でございます。もちろん、TBSに金もらっているんだからということで、観客を馬鹿にしたようなドラマをわざとつくったんだったら、内田けんじ監督、あんたにゃ負けた、だけどね。
 ものすごくよくできた2時間ドラマにお金を払える人は絶対観に行ったほうがいいと思う。面白いから。こういうオリジナルの脚本が書ける人が業界には必要だし(もう漫画原作のドラマにも正直うんざりして早幾年なんで)、この監督が自分でつくった前作にはすごい興味がある。まあ、とにかく面白かった。
 あと、これはただの愚痴なんだけど、パルコ3の7階まで階段で上がれるのに、7-8階の間の階段使わせてくれないのなんで?7階からエレベーターに乗るのすごい骨だったから映画観る前から憤慨しちゃいましたよ。もし一人で行っていたら責任者呼んで来い!だった。
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