文藝賞受賞作の映画化。井口奈己が監督。貸していただいたので観てみた。
なんか小説読んだ時の感想でやたら毒づいていた。小説の内容を断片的にしか覚えてないので特に問題なかったけど、小説とは別個の作品として観賞すべき映画のようだ。
観てみて、特にストーリーは残らない。物語はただ、2時間以上を持たせるためのサービスみたいなものだろう。物語だとか、展開だとか、そういったマクロなものよりも、構図とか、音楽とか、そういうミクロなものが印象深い映画だった。
映画のリズムというか、タイミングというか、そういったものとか、川原とか三叉路とか舞台となる場所(もちろん違う住所なんだろうけど、カテゴリーとして同じという意味)も犬猫と同じで、井口奈己ってこれしか撮りたくない(撮れない)んだなと思った。
登場人物たちの服装を互いに違うものを着させることで、遠景で撮っても人間が判別できるようになっていて、遠目のシークエンスなんかもあるのだけど、いちゃいちゃシークエンスだけがやたら寄っていて、キスの効果音とかもものすごくでかくて、なんか他人のプライベートを覗いているような居心地の悪さがあって、これをスクリーンで観て、大音響で聴いたら圧巻だろうなと思った。
まさかここにきて、FISHMANSを聴くことになるとは思わなかった。
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