ブロークバック・マウンテン

 監督アン・リーだったんだと知ったブロークバック・マウンテン。期待してなかったわけじゃないんだけど、思っていたよりもかなりよかった。
 要はゲイの2人の20年ほどを描いた映画で、個人的にゲイというものにそれほど理解のある人ではないので、愛が芽生える瞬間の描写であるとか、つまり冒頭の辺りは、嫌悪感に満ち満ちながら観ていて、最後まで観るの辛そうだと思っていたのだけど、どっこい、驚くほどのめり込んで最後まで観た。
 最後まで通して観てみても、ゲイの方々に対する生理的なもやもやは大して変化していないと思う。それでも、この映画を観て、というか心奪われてしまったというのは普遍的なテーマが含まれていたからで、イニスやジャックに単純な感情移入したわけではないのだけど、男泣きさせる映画だった。多分、ゲイについての映画でであることは禁忌としての枠組みとして観ていたので、中盤以降全く気にならずに観ていたのだと思う。まあ、描写も抑制が効いていたのだけど。
 ジャックから絵葉書が届いて、そわそわしているイニスが、家の2階の窓からジャックを確認した時の顔とか、男泣きさせるラストとか、生きているのも悪くないと思わせる。