はじまりのみち

 原恵一監督のはじまりのみち。木下惠介へのオマージュをそのまんまにして、商業映画でやりましたという代物でした。
 基本的には、

太平洋戦争末期、浜松付近も空襲が激しくなってきたので、家族でより山奥に疎開することになった。木下惠介の母親は脳卒中で倒れており、バスで揺らしたくないので、リアカーで徒歩で運ぶ

というエピソードを中心に、それに付随するエピソードが盛り込まれるお話なのだけど、劇中雨に降られて母親をぐっしょり濡らします。
 バスで運ぶことが病人にとってどれだけ負担になることかが描かれていないので、「いやいや、美談っぽくしているけど、強情張って人に迷惑かけるタイプの人か」という印象しか持てませんでした。。。
 もう一つ大きな問題を挙げるとすれば、状況説明をひたすらに台詞で行うこと。うるせえよと。劇中に挿入される「陸軍」で、田中絹代の表情で語らせるのと、余りにも対比になっていて切なかった。
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