LOFT

 黒沢清のLOFT。DVDで。ナンセンスに失笑気味に爆笑してしまった。
 新人賞を受賞したものの、書けなくて、薄っぺらい恋愛小説を書かされている礼子、ミイラを隠し持っている大学教員の吉岡の惹かれ合う様を、おかしみを含んだホラーとして描かれた映画。
 映画内の現実と、悪夢とが溶け合っていて、どちらでの出来事なのかよくわからない。ミイラと称している代物と、幽霊と、人間とも溶け合っていて(これは作家の思い通りだろうけど)、同じ世界に同じ存在として生きていて(?)、礼子も吉岡も慣れきっていく。礼子は吉岡以外の全てを捨てて、吉岡は礼子以外の全てを捨てて、2人は新しい人生を歩み始めようとする。そこに上記のミイラや幽霊や、編集者や、あれこれが絡んでくる、そういう映画。
 ツッコミのタイミングでツッコミが入るので、ナンセンスギャグに笑うところが何度があり、笑った。でも、混乱しながら観た。ポテチとはだいぶ異なり、この映画はホラーを基調につくっていて、画面の外側が気になって気になってしょうがない。フレームの使い方が恐怖心を煽ってくる。昼間に観てよかった。でも、ホラーだったら普通そうだよね。