ヒミズ

　園子温監督のヒミズ。Blu-rayで。言わずとしれた古谷実原作漫画の実写化作品。まあ、見てみれば園子温の映画そのものですが(笑)
　少年の再生の物語。原作のストーリーを恥ずかしながら忘れてしまったので、そこからものを考えることができないのだけど、この映画は、中3にして罪を負った少年の再生の物語。「普通最高！！」と叫ぶくらいの少年が、愛のない両親ややくざものに脅かされつつも、少女やホームレスたちと送る平穏な生活が、あるとき破綻を迎え、そこから再生していく過程の物語。
　“男の子”の大きな物語が完結を迎えることなく、女の子の小さな物語に飲み込まれていく。
　冒頭・エンディング、そして劇中でも何度か差し挟まれる、ストーリーにも組み入れられている震災のシークエンスは、不必要だし、スクリーンに映された以上のことが伝わってこなかった。あまちゃんで、杉本哲太と橋本愛がトンネルから出て行ったシークエンスと比べると、拙いと言わざるを得ないのではないだろうか。もちろん、私が、震災の映像を山ほど見て、焼き付いてしまっている人間だからで、後にまたは海外の人間が地震のことを何も知らずに見る場合は、このドキュメンタリーのような映像の方が、訴えるのかもしれない。そう言う意味では、私が観客として不適切なのかもしれない。

• 手塚とおるってラブ&ポップの頃から、ああいう人の役のイメージなんだけど、いいの？
• 窪塚君あの役やらせたら天下一品ですね。

　何はともあれ、原作を読み直したいと思ったのは、嘘偽りない事実です。

ヒミズ コレクターズ・エディション [Blu-ray]