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愛、アムール

 ミヒャエル・ハネケ監督、「愛、アムール」。DVDで。
 ジャン=ルイ・トランティニャン演じるジョルジュとエマニュエル・リヴァ演じるアンヌの元音楽教師夫婦の物語。アンヌの体が次第に麻痺していき、そして認知症も患う中、ジョルジュが老老介護をするその様を描く。
 冒頭で結末を描いた後、時間を巻き戻し、教え子のピアニストの演奏会の場面から始まり、老いてはいるものの自分たちで何でもでき、1人1人も自分で何でもできる状況が観客に見せられる。そこから、徐々に徐々に、しかし着実に、アンヌが自分でできることが減っていき、人間としての尊厳を傷つけられていく姿が映し出される。一方で、献身的に、であるがゆえに排他的にアンヌの介護をかいがいしく行うジョルジュの姿も淡々と映し出される。
 まさに身につまされるというか、自分に取ってはまだまだ先のことだけれども、確実にやってくる未来の自分の姿をそこに重ねながら観たのでした。
 徐々に自由を奪われて行く2人(そもそも映画の舞台はほぼ部屋の中だし)と、自由な鳩との対比が、とてもつらい。答えなんてないものだし。

愛、アムール [DVD]

愛、アムール [DVD]

 アーカイブ持っている人は町山さんのこの回のたまむすびで扱われています。
たまむすびで「愛アムール」について - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記