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アニッシュ・カプーア個展

 SCAI THE BATHHOUSEに行き、アニッシュ・カプーア展。

 これは素晴らしかった。この作家を意識したことはこれまでなかったのだけど、たぶん今までに金沢などで作品は見てきたはず。

 最も心を奪われたのは最も手前に展示してあった、串を抜いた団子みたいな形をしたSUS?の球みたいなオブジェ。外も内も鏡面仕上げをしてあるので、外も内もその表面全てで鏡のように展示室や自分自身が映る。エッジも繊細に鋭く鏡面仕上げをされているので、内側はおそらく独立した3つの曲面で構成されているはずなのだけど、その曲面と曲面の間の境界も繊細に鋭く鏡面仕上げをされているので、目を凝らしてみてもどこに境界があるのか判別できない。自分の視覚がおかしくなったかのような体験をすることができた。

 次に心奪われたのは、これも鏡面仕上げのSUSの球が展示室の隅っこの壁と壁のL字部分に埋め込まれたようなオブジェ。一目見たときには上記のようなシルエット(壁とオブジェの境界)を認識するのだけど、徐々に近寄って見てみると鏡面仕上げの金属球ではあり得ない反射をしていることに気づき、オブジェ至近まで近寄ると実は2つオブジェの集合でできていることに気づく。上のオブジェと同様に、2つのオブジェは寸分の狂いなく接着されており(表面の色から判断するに溶接されている)、またエッジまで繊細に鏡面仕上げされているために一見2つのオブジェで構成されていることに気づかない。従って、オブジェに近寄っていった時に自分の視覚が揺らぐ経験をすることができる。

 その他、極限までなめらかに傾斜をつけられたグラデーション塗装(黒to灰)がなされた円盤であるとか、黒に薄く塗装された(おそらく)放物線鏡面による天地左右逆転鏡など、視覚を揺さぶる作品と、さらに習作なのかペインティングや模型が展示されていた。

 上述のように、2つの金属製オブジェは私の好奇心を極めて刺激してくれた。

www.scaithebathhouse.com